身勝手なキャッチボール。その現場。
言葉は力。人を信じるのも裏切るのも、癒すのも傷つけるのも言葉はできてしまう。その言葉をできる限り正の方向で使いたい。愛するもの全てのために。

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妄想夜話 第11話

最近好調更新中!!




「妄想夜話」




第11話 秘密の小箱


小さい頃から、うちの親父には大切にしている入れ物がある。
釣りが趣味の親父だから、餌でも入ってるんだと思っていた。
釣竿を磨くときも、車に乗るときも
休みの時はいつもその入れ物を持っていたから。


ただ、不思議だったのは会社に行くときはいつもそれがない。
忘れ物って訳でもないらしい。
『その入れ物、何が入ってるの?』
と、親父に聞いても
『これか?これは俺の宝物が入ってるんだよ』
と少し照れくさそうに話すだけだ。


何年かして、俺にも人並みの趣味が出来た。
すると親父はにこっと笑って
『お前にもこいつがいるだろう』
と、親父の持っていた入れ物と同じ奴をくれた。
ずっと気になっていた中身を見ようと空けてみた。
空っぽだった。
『何に使うの?これ』
俺がそういうと親父は
『まぁ、持って使ってみろ。なんとなくわかる』
とよくわからないことを言っていた。


親父と同じようにしてみようと
休みの日はそいつを持ち歩くようになった。
最初はなんとなく持っていたが、妙にしっくり来る。
次第にそいつはだんだん俺にはなくてはならないものになった。


しばらくして結婚することになった。
結婚を期に実家も離れる予定だ。
親父と母さんと別々の暮らし。
それを思うとなんだか親父からもらったこいつがやたら重く感じた。


子どもが出来て、自分も父親になった。
幼稚園に入る頃、その子が俺に言ったんだ。
『お父さん、それ何が入ってるの?』
その時ようやくわかったんだ。
親父が持っていたもの。
俺にくれた、その入れ物。
こいつの正体は『思い入れ』なんだって。
どうりで粗雑な親父でも大事にしてたわけだ。


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最近新型のタッチが多いですかね?(Byくべ)
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妄想夜話 第10話

記念すべき第10話はこれだ!!




「妄想夜話」




第10話 立身出世棒


ある町に侍がやってきた。
なんでも戦で大きな功績を挙げてこの町の領主になるんだという。
初めての領地だから見てまわりたいと、お供を連れてやってきたのだ。


なかなか気さくな人物で町の人間達に声をかけてまわっている。
すると、一人の男がやってきた。
『お侍様、どうしたらそんなに立派になれるのですか?』
それを聞くと侍は自慢げに答えた。
『その秘密はな、俺にはこれがあるからだ』
侍は懐から一本の棒を取り出した。
『これはな、立身出世棒といって、持っていると自信や力が沸いてくる。俺はこの棒で敵を倒し、殿に認められ、ここの領主となったのだ』
それを聞くと男はさらに食いついて
『それはどこで手に入るものなんですか?』
と尋ねた。
侍はさすがにうっとうしそうにしたが
『欲しいと思えば町中のどこにでも落ちてるさ』
とそっけなく答えた。


しばらくして、男は金持ちになった。
商売をして成功したのだという。
『わしには立身出世棒が吐いて捨てるほどある。お前らには見えんだろうが、そこら中に転がっているぞ』
そう言っては小姓たちを馬鹿にしていた。
それからも男は店をどんどん拡大していった。
その町一番どころかその国一番の商人になる勢いだった。


男はそれでは飽き足りなかった。
この勢いで自分がこの国の領主になってやろう。
そう思い始めていた。
男には有り余る金がある。
そして男は準備を始めた。


毎日毎日準備を重ね
人を雇い、武器を揃え、兵糧も買った。
国取り合戦は明日。
男は興奮を抑えるようにして眠った。


朝起きて、蜂起の場所に向かう。
そこには数千の浪人が集まり、立身出世を願う者達で溢れかえっている。
はずだった。
『どういうことだ!?』
男はうめいた。
そこには誰もいなかった。
約束した時間はもう過ぎている。
だが、ありの子一匹もいない。


と、そこに人影が現れた。
この町の領主である。
『久しぶりだな。まさかお前がこの国一番の商人になるとはな』
侍はにっこり笑って男に近づいた。
この状況に混乱はしていたが、恩人である領主に
『おかげさまで立身出世棒がほらこんなに』
男も笑って懐から溢れんばかりの立身出世棒を見せた。
『そうか。それはよかった。もう十分、立身出世は果たしただろう』
侍はなおも笑っている。
男がその言葉を理解出来ずにいると
侍の右手が風のように男の首を凪いだ。
刀を鞘に収めるか、男の首が地に着くのが早かったか。
目にも留まらぬ神技であった。
『お前に言っておくべきだったなぁ。あの棒は持ちすぎるもんじゃないって』
侍はその棒を懐から取り出し
『殿の為に生きる俺にはこの一本で十分さ』
とぼんやり眺めていた。


立身出世棒、またの名を
『や棒』
余り懐に抱え込んではいけない諸刃の棒。


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久々に新しいタッチでお送りしました(Byくべ)

妄想夜話 第9話

珍しく連続でかいておりやす。
めくるめく妄想の世界。






「妄想夜話」




第9話 続・対艦戦


分厚い装甲、緑に輝く艦橋、無数の機銃。
わが国が誇る艦隊には全てこの特徴がある。
小型艦だろうと
大型艦だろうと
潜水艦も駆逐艦も
巡洋艦も戦艦も
すべからくである。


わが国は現在戦争の真っ只中。
同盟国も劣勢に立たされ
ご自慢の巨大戦艦は出る幕を失っている。


しばらくして――――――――――


来るべき時は来た。
もはや勝ち目なき最終決戦。
同盟国も巨大戦艦を旗艦として出撃。
『敵航空機来ます!!』
敵国の容赦ない爆撃が我らを襲う。
『護衛艦撃沈!!空母大破!!』
敗色を漂わせる現実が大音量で次々と伝わってくる。
ザーザーという音と共に通信が入る
『同盟国に次ぐ。わが艦隊は撤退する』
わかっていたことだ。
勝ち目のない戦だった。
『了解した。わが軍も撤退する』
どこに。逃げ切れるのか。
打算もないまま返事をする。
仕方がない。やれるだけやるか。


覚悟を決めた。その時だった。
どぉぉぉん!!!!!!!!!


すさまじい音と共にあたりに霧が充満する。
味方艦隊の最後の一斉砲撃によるものだ。
『今が好機!!あれを使うぞ!!』
全軍に『あれ』の使用が指示される。
がん!!
装甲が海中に沈んでいく。
砲撃ではがされたのではない。
船からはがれていくのだ。


重装甲の重さから解き放たれた艦隊は魚のように泳ぎ去った。
霧が晴れた後には黄色い装甲がぷかぷかと浮いているだけだった。


我々は生き残った。
国は負けはしたが、永世武装放棄国家としてこれからも残るという。
隣の同盟国も健在だ。
海兵の友人とはお互いの国の船の写真を見せ合って和む。
『み艦とや艦』
これだけで寒い冬も乗り切れるってもんさ。


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続編をはじめて書いてみました。どんなもんだろ?(Byくべ)

妄想夜話 第8話

久々に更新したとおもったら結局これなんだわヽ(´ー`)ノ




「妄想夜話」




第8話 忘れ物


こないだ俺のところに宅急便が届いた。
宛名は実家だった。
なんだろうと思って箱を開けてみた。
『東京の暮らしはどうだい?こっちは田舎でお父さんと仲良くやってるよ。疲れたら帰っておいで。あんたの好きだったもの送ります』
母さんの手紙だ。


好物かぁ。こっちにきて食生活も変わったからなぁ。
実家から東京に出てきたときに、俺は裸一貫だった。
ぼろいアパートに布団だけ敷いて、家具はなんもなし。
なんとか就職して、安月給でも我慢して。
そこからがむしゃらに働いて、働いて、働いて。
40を過ぎてようやく部長のポストについた。
この年で部長になった奴はうちの会社にはいない。
同期のライバルを蹴落とし蹴落としここまでやってきた。


今度、専務の所のパーティに呼ばれている。
専務のお嬢さんを紹介してくれるらしい。
ここでうまくやれば管理職も見えてくる。
恋愛なんてもんは関係ない。
ここを乗り切れば俺の人生は順風満帆じゃないか。
ここまで来るのに20年。実家を出てから20年ってことだ。
結構いい生活もしている。
昔好きだったものなんて田舎くさいもん今更食えるか。


とりあえず手紙をどけてみた。
『あっ』
思わず声を上げてしまった。
慌てて手に取る。
なんだかとても熱い。胸が膨らむ感じだ。
次の瞬間、今度はとても寒くなる。カチカチに固まりそうだ。
昔付き合っていた女のことを思い出す。
クラスで隣の奴と話してるだけでやたら腹が立ったっけ。


母さんの手紙には最後にこうあった。
『ちゃんと食べるんだよ』
田舎から送ってきたもの。
『き餅』
田舎で親父と一緒にいつも食べてた俺の大好物。
・・・専務のお嬢さんかわいいといいな。


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皆様、ご無沙汰しておりました。皆さんはいかがお過ごしでしたか?
結局久方更新はこれにきまりなのよねー。(Byくべ)

PROFILE

くべ
  • Author:くべ
  • 私の名前はくべ。石井竜也よりも横山剣よりもデーモン小暮よりも斬新でクリエイティブな人間になりたい。
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